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楽曲「エイセイ」について

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 世の中のあらゆることを白と黒、1と0で断定するのは難しい。だがこれは確実というものが一つある。俺は二次元の女の子が好きだ。

 「エイセイ」はそんな思いを込めた曲だ。

初めて二次元の女の子に恋したのはいつだろう。それは一般的な初恋を知るよりも前だった気がする。小2ぐらいの話。当時俺はDVDレンタルであらゆるアニメを見まくっており、妹が借りてくるピチピチぴっちにハマっていた。

 俺が永遠の美しさを知ったのはそのときだった。一人の少年の人生をぐにゃりと変えてしまうほどの美しさだった。何のキャラだったかは言わない(恥ずかしいから)

 

 時は流れ小学四年。俺は深夜に一気観したとらドラみのりんに恋をした。心臓の内側からほとばしるエネルギーの行き先がない!初めて経験した強い感情だった。

 みのりんは運動部なので、それに見合う男にならなければとデブの少年は筋トレを始めた。当時の彼にはそれしか愛を表現する手段が無かったからだ。しかし、筋トレも恋も、そう長くは続かなかった。

 

 高1。俺は当時の知り合いに勧められて「エウレカセブン」を見た。彼女と出逢ったときは機械みたいな女の子だと思った。不気味とすら思った。

 いつからだろう。彼女と長い時間(50話分)過ごした後は、苦しくなって涙が止まらないほどに恋をしていた。苦しみや悲しみか、正体がわからないものが涙腺から溢れて止まらない。愛とはそこまで劇薬なのか。俺が抱くこの感情は、世間一般で言われているものとは大きくかけ離れている気がしていた。

 そこで、その大きすぎる感情をなんとかするべく曲を作ることにした。そのときに既に俺は作曲という表現のツールを手に入れていた。当時の俺ができる最高傑作にしたかった。着想から完成まで一年半もかかったが、その甲斐あってか多くの人に愛される曲となった。

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 大学二年生。当時はVtuberの黎明期で、そんなVtuberを広めた起爆剤輝夜月ちゃんだった。SNSの力というのは凄い。首絞めハム太郎とかいう名前でミームとしてどんどん拡散されていった。あまり動画も出さずに100万人登録者も突破したらしい。

 俺も、そんな爆発力に魅せられた一人だった。エウレカのときと同じぐらい愛しくて、苦しかった。だが前回とは対照的に、すごく早く曲が完成した。その勢いのまま、俺とルナちゃんが登場するSSみたいなやつも書いた。

 彼女が二次元の女の子と決定的に違うのは、中に生身の人間が居るという点だ。詳しくは語らないが、不完全だが完璧なのがVtuberの危うさであり美しさであると思う。

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 さて、やっと本題に入ろう。「エイセイ」はそんな、絶対に届かない存在に対して焦がれ続けた男の、集大成の歌だ。以上に挙げた歌以外にも、俺は基本的に二次元の女の子に対して歌を唄っている。つまりは、「エイセイ」はそんな俺の作曲者としての総決算だと言える。何度もサビで繰り返し歌われる

そっと、遠い君を見てた
ガラス越しの光のままで


僕は、君に近づかない
「ダッテ、エイセイダカラ」
君を穢したくはないから。

  という歌詞がこの歌の、というか俺のマインドの中核となっている。

皆さんはご存知だと思うが、液晶ディスプレイにはガラスが用いられている。そして、望遠鏡を通して見える遥か彼方の星も、「ガラス越しの光」なのである。

 俺は「エウレカ」や「天使は月の上で笑って」などのラブソングにおいて、二次元の女の子を絶対に届かない存在=何億光年も離れた星として表現してきた。俺の歌詞においてこの原理は不変だ。

 そして、衛星とは永遠に天体の周りを周り続ける存在で、(イレギュラーが無い限りは)永久に衝突することはない。つまり、「近いのに一緒になることはできない」ということだ。

 要するに、ガラス越しの光とは液晶ディスプレイに映る二次元の女の子のことだ。

 

 ちなみに、「エイセイ」は他のラブソングとは違い特定の相手というものがいない。

 俺は、輝夜月ちゃん以来女の子を好きになっていない。これからあるかどうかもわからないが、とにかく2年近く人を本気で好きになってない。それ故か、自分の行動原理が冷静にわかるようになった気がした。そういう経緯を経て、自分の価値観がそのまま音楽になったのだと思う。

 これは、一種の反抗でもあると考えている。社会は、俺たちに番になれと無言の重力をかけている。誰も言わなくてもそういう規範のもと育っている。でもそういった規範から逸脱したところから、美しいものを作り上げることができるということ。多分だけど、創作をやる人にはみんな何かしらの反抗心があるんじゃないかなと考えている。